ざっくり日本史

鎌倉時代の社会・経済(基礎)

I.鎌倉時代の武士の生活

1.惣領制

惣領:宗家の首長
庶子:嫡子以外の子

・所領の相続は分割相続が原則
女性も相続可。女性の御家人・地頭もいた

2.武芸の重視

①騎射三物

・3種の馬上弓技

ⅰ.流鏑馬
・走っている馬から、一定間隔に置いた3つの的を射る

ⅱ.笠懸
・馬上から、笠や板を的にして射る

ⅲ.犬追物
・馬上から、放された犬を射る

武士の土地支配

・地頭の荘園侵略への対応

ⅰ.地頭請地頭請所
・荘園領主が地頭に一定の年貢納入を請け負わせる

ⅱ.下地中分
・土地を折半して土地や人を支配し、互いに干渉しない

II.社会の変動

1.農業の発達

二毛作

・同じ土地で年2回異なる作物を栽培・収穫
※米を表作、を裏作とする

肥料の使用

ⅰ.刈敷
・草を刈って田に敷き込む

ⅱ.草木灰
・草木を焼き、その灰を使用

その他 

鉄製農具の使用
牛馬耕の一般化

2.商業の発達

・背景:貨幣経済の浸透

定期市の発達

三斎市(月に三度開かれる)

見世棚

・常設の小売店

・商工業者の同業組
・本所(公家・寺社)に座役を納入し、販売独占権を認められる

問丸

・運送業者
・各地の港や河川沿いの要地に発達

3.金融の発達

宋銭

・中国から輸入された貨幣
・売買の手段、年貢納入に使用(年貢の銭納化)

為替

・遠隔地間の金銭の輸送を手形で決済する制度

4.地頭の荘園侵略

紀伊国阿河荘民の訴状
 →阿氏河荘の農民が、地頭の湯浅氏の非法を訴えた


漢字の読み方(タップで開きます)

1.惣領制
惣領:そうりょう
・庶子:しょし
・嫡子:ちゃくし

2.武芸の重視
・騎射三物:きしゃみつもの
流鏑馬:やぶさめ
笠懸:かさがけ
犬追物:いぬおうもの
地頭請(地頭請所):じとううけ(じとううけしょ)
下地中分:したじちゅうぶん

1.農業の発達
二毛作:にもうさく
・表作:おもてさく
・裏作:うらさく
刈敷:かりしき
草木灰:そうもくばい

2.商業の発達
定期市:ていきいち
三斎市:さんさいいち
見世棚:みせだな
:ざ
(問丸):とい(といまる)

3.金融の発達
宋銭:そうせん
為替:かわせ
・紀伊国:きいのくに

4.地頭の荘園侵略
・阿氐河荘:あてがわのしょう

 


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