ポイント
・イスラーム帝国は分裂するが、イスラーム世界は拡大
・アラブ人・イラン人にかわり、トルコ人がイスラーム世界の拡大に活躍
・ここでは各地域のイスラーム王朝を概観する
1.西アジア
セルジューク朝(1038~1194年)
・トルコ人の王朝
・中央アジアに起こり、西アジア一帯までを支配
①建国
・トゥグリル=ベクが建国
・バグダード入城:ブワイフ朝を征服
→アッバース朝からスルタンの称号を授与される
※トゥグリル=ベクが初代スルタン
②2代目スルタンの時代
・小アジア進出:ビザンツ帝国を圧迫
→第1回十字軍の発端となる
③3代目スルタンの時代
・ニザーミーヤ学院を開設
・イクター制の確立
2.エジプト
①トゥールーン朝
・868~905年
・アッバース朝のエジプト総督が自立して建国
②ファーティマ朝
・909~1171年
・シーア派。チュニジアに建国
・カリフの称号を使用
→アッバース朝・後ウマイヤ朝と対立(3カリフ国)
・969年、エジプト征服。首都カイロを建設
・アズハル学院を設立
③アイユーブ朝
・1169~1250年
・スンナ派
・クルド人のサラディンが建国
→ファーティマ朝を滅ぼす
・第3回十字軍と戦う
④マムルーク朝
・1250~1517年
・アイユーブ朝のマムルーク出身の軍人が建国
※マムルーク…おもにトルコ人の軍人奴隷
・オスマン帝国に滅ぼされる
3.北アフリカ~イベリア半島
※キリスト教徒の展開するレコンキスタ(国土回復運動、718~1492年)に対抗
①後ウマイヤ朝
・756~1031年
・ウマイヤ朝滅亡の際に逃れた王族がイベリア半島に建国
・首都:コルドバ
・内紛、小王朝の分立で滅亡
②ムラービト朝
・1056~1147年
・ベルベル人が建国
・アフリカ北西部からイベリア半島にも進出
・ムワッヒド朝により滅亡
③ムワッヒド朝
・1130~1269年
・ベルベル人が建国
・ムラービト朝を滅ぼす
・アフリカ北西部からイベリア半島にも進出
④ナスル朝
・1232~1492年
・イベリア半島最後のイスラーム王朝
・1492年、スペイン王国により滅亡:首都グラナダ陥落
→レコンキスタ完了
4.中央アジア
①サーマーン朝
・874~999年
・イラン系イスラーム王朝
・アッバース朝から自立した独立王朝
・カラ=ハン朝により滅亡
②カラ=ハン朝
・940~1132年
・トルコ系イスラーム王朝
・999年、サーマーン朝を滅ぼす
・東西トルキスタンを征服し、イスラム化
・11世紀中頃、東西に分裂
→セルジューク朝や西遼の支配下に
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