ポイント解説
13世紀初めにモンゴルの全部族を統一したテムジンはチンギス=ハンとして即位し、モンゴル帝国を建国しました。広大な領域を支配したモンゴル帝国でしたが、その後、4ハン国と元に分裂しました。
1.モンゴル帝国
※1206~71年
①テムジン(チンギス=ハン)
ⅰ.部族の統一とモンゴル帝国
・1206年、クリルタイでハン位に即位
→チンギス=ハン(成吉思汗、在位1206~27年)となる
・モンゴル高原の諸部族を統一
→大モンゴル国(モンゴル帝国)を形成
※クリルタイ:「集会」を意味する部族会議
※ハン(カン、汗):遊牧民が用いた君主の称号カガン(可汗)に由来
ⅱ.千戸制
・軍事・行政組織
・全遊牧民を1000戸単位に編制
ⅲ.征服と支配領域の拡大
・1220年、ホラズム=シャー朝を破る
※トルコ系イスラーム王朝。1231年滅亡
・1227年、西夏を滅ぼす
②オゴタイ=ハン
・第2代皇帝(在位1229~41年)
・チンギス=ハンの子
ⅰ.華北を征服
・1234年、金を滅ぼす
・首都カラコルムを建設
ⅱ.バトゥの征西(西ヨーロッパ遠征)
・1241年、ワールシュタットの戦い
⇒ドイツ・ポーランド連合軍を破る
③モンケ=ハン
・第4代皇帝
・フラグの西アジア遠征:1258年、アッバース朝を滅ぼす
→フラグはイル=ハン国を建国
④フビライ=ハン
・第5代皇帝
※1266~1301年、ハイドゥの乱:ハン位継承争い
→モンゴル帝国は元と4ハン国に分裂
(それまでのゆるやかな連合体から、4つのハン国が独立へ)
2.4ハン国
①オゴタイ=ハン国
※1225頃~1310年
・西北モンゴルを支配
・チャガタイ=ハン国に併合される
②チャガタイ=ハン国
※1227~14世紀後半
・中央アジアを支配
・14世紀半ば、東西に分裂
→西チャガタイ=ハン国はティムールに滅ぼされる
③キプチャク=ハン国
※1243~1502年
・バトゥが南ロシアに建国
・タタールのくびき:モンゴル人によるロシア支配
※ロシア側から見た呼び方
・モスクワ大公国の自立後、崩壊
④イル=ハン国
※1258~1353年
・アッバース朝を滅ぼしたフラグが建国
・イラン高原を支配
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