十字軍とその影響
0.十字軍派遣の背景
・西ヨーロッパ封建社会の安定と成長
→西暦1000年頃から約300年続く
・三圃制の普及、農業技術の進歩
・人口の増加
※西ヨーロッパ世界の拡大運動のおこり
→イベリア半島の国土回復運動、エルベ川以東への東方植民。最大のものが十字軍
1.十字軍の発端
①セルジューク朝
※1038~1194年
・聖地イェルサレムを占領
・ビザンツ帝国を圧迫
②クレルモン宗教会議
・1095年、ローマ教皇ウルバヌス2世が開催
※ビザンツ皇帝の救援要請
・十字軍の派遣を決定
2.十字軍の経過
・1096~1270年。全7回
①第1回十字軍
・1096~1099年
・聖地の回復に成功
・イェルサレム王国を建国(1099~1291年)
②第2回十字軍
・1147~1149年
・失敗に終わる
③第3回十字軍
・1189~1192年
・アイユーブ朝のサラディンがイェルサレムを占領したため、十字軍を派遣
・英仏独の3君主が参加
④第4回十字軍
・1202~1204年
・インノケンティウス3世の提唱
※教皇権の絶頂の時期
・ヴェネツィア商人の要求でコンスタンティノープルを占領
→ラテン王国(1204~1261年)を建国
※ビザンツ帝国は一時中断
⑤第5回十字軍
・1228~1229年
・神聖ローマ皇帝フリードリヒ2世がアイユーブ朝と交渉
→一時的に聖地を回復
⑥第6回十字軍
・1248~1254年
・フランス王ルイ9世が主導
・マムルーク朝に敗れる
⑦第7回十字軍
・1270年
・ルイ9世が主導するが、病死
3.十字軍の失敗
・1291年、マムルーク朝に占領され、イェルサレム王国滅亡
4.十字軍による影響
①政治的影響
ⅰ.教皇権:高まりから衰退へ
・第1回十字軍の成功:教皇権が高まる
→インノケンティウス3世のとき最高
・その後の相次ぐ遠征失敗で弱体化
ⅱ.王権:強化される
・遠征を指揮した国王の権威は高まる
→のちの絶対王政の基盤となる
②経済的影響
・遠隔地貿易の発展、貨幣経済の普及
・東方貿易(レヴァント貿易):地中海での貿易
→イタリアのヴェネツィアやジェノヴァが発展
③文化的影響
・イスラーム文化、ビザンツ文化の流入
→12世紀ルネサンスにも影響
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