ざっくり日本史

室町時代1(基礎)

Ⅰ.室町時代の年代

・1336年から1573年まで
※1336年~1392年は南北朝時代1467年~1573年は戦国時代でもある

Ⅱ.大まかな流れ

1.室町幕府の成立
・1336年、足利尊氏建武式目を発表
・1338年、足利尊氏が征夷大将軍に任命される
南北朝の動乱

2.室町幕府の全盛
・3代将軍足利義満のとき
・有力守護の討伐
・1392年、南北朝の合体
日明貿易(勘合貿易)の開始

3.室町幕府の動揺:15世紀
・相次ぐ戦い・反乱、一揆

4.戦国時代の始まり
・1467年、応仁の乱

5.ヨーロッパ人の来航
・1543年、鉄砲の伝来
・1549年、キリスト教の伝来

6.室町幕府の滅亡
・1573年、織田信長により滅亡

Ⅲ.室町時代の流れ

1.室町幕府の成立

足利尊氏が幕府を開く

ⅰ.建武式目の制定1336年
・幕府の実質的な成立 

ⅱ.征夷大将軍に就任:1338年
足利尊氏北朝光明天皇から任命される
後醍醐天皇は奈良の吉野にのがれる(南朝)

南北朝の動乱

※1336~1392年

ⅰ.北朝
・京都の朝廷、持明院統
足利尊氏(幕府)

ⅱ.南朝
・吉野の朝廷、大覚寺統
後醍醐天皇 

③北朝(幕府)の内紛

足利尊氏高師直(尊氏の執事)派
足利直義(尊氏の弟)派
 →観応の擾乱:1350~52年、両派の武力対立

④守護の権限拡大

ⅰ.大犯三カ条
・鎌倉時代の守護と同じ
→以下の2つが追加

ⅱ.刈田狼藉を取りしまる権限
刈田狼藉:対立相手の田地の稲を一方的に刈り取る行為

ⅲ.使節遵行
・幕府の裁判の判決を強制執行する権限

半済令

・守護が荘園や公領の年貢の半分を徴発する権限を認める法令
 ※軍事費用の調達のため

・1352年に最初の発令
・1年限りで、対象は近江美濃尾張の3カ国に限った
 →やがて永続化、全国化

2.室町幕府の全盛

・3代将軍足利義満の時代

政治

ⅰ.花の御所を建設:1378年
・京都の室町建設
→幕府が室町幕府と呼ばれるようになる

ⅱ.南北朝の合体を実現・1392年、
・南朝の後亀山天皇が京都に帰る
→北朝の後小松天皇に譲位

※義満は1394年に将軍を辞めるが、実権はにぎりつづける

②文化(北山文化

・1397年、鹿苑寺金閣を建立

有力守護大名の討伐

ⅰ.土岐康行の乱:1390年
土岐康行を滅ぼす
 ※美濃・尾張・伊勢の3カ国の守護

ⅱ.明徳の乱:1391年
山名氏清を滅ぼす
 ※11カ国の守護。「六分の一衆」

ⅲ.応永の乱:1399年
大内義弘を滅ぼす
 ※6カ国の守護

外交

・1401年、日明貿易開始
→1404年、勘合貿易開始

3.室町幕府の機構

①中央(京都)

ⅰ.管領
・将軍の補佐
・侍所、政所、問注所などの中央機関を統轄

三管領細川斯波畠山の3氏が交代で管領に任命された

ⅱ.侍所
・鎌倉幕府に引き続き設置
・長官を所司という

四職京極、山名、赤松、一色の4氏
→侍所長官(所司)に任命された

※政所、問注所なども鎌倉幕府に続いて設置

②地方

ⅰ.守護
・有力守護は在京
→地元に守護代を置いて領国経営にあたらせた

守護大名…鎌倉時代の守護に比べ、権限が大きく強化された
→鎌倉時代の守護と区別してこう呼ばれる

ⅱ.地頭

ⅲ.鎌倉府
・関東地方を支配
・長官を鎌倉公方という
尊氏の子足利基氏が初代鎌倉公方に就任

ⅳ.関東管領
・鎌倉公方の補佐役
上杉氏が世襲した

ⅴ.九州探題
・九州の守護大名の統制など
・1371年、今川了俊(今川貞世)が就任 

室町幕府の経済基盤(収入源)

ⅰ.御料所
・室町幕府の直轄領
 →将軍の直轄軍である奉公衆が管理

ⅱ.日明貿易(勘合貿易)
・朝貢形式のため、日本側に大きな利益

ⅲ.さまざまな税
a.土倉役倉役
土倉(京都の高利貸し業者)に課した税

b.酒屋役
・奈良や京都の酒造業者に課した税

c.関銭
・交通の要所に関所を設けて徴収した通行税

d.津料
・港で徴収する入港税

e.段銭
・田畑一段ごとに課された土地税。臨時に徴収

f.棟別銭
・家屋の棟数に応じて課された家屋税。臨時に徴収

g.分一銭
・徳政令発令の際、債務の一部だけを幕府に納めさせた


漢字の読み方(タップで開きます)

1.室町幕府の成立
建武式目:けんむしきもく
足利尊氏:あしかがたかうじ
・光明天皇:こうみょうてんのう
南北朝の動乱:なんぼくちょうのどうらん
持明院統:じみょういんとう
大覚寺統:だいかくじとう
高師直:こうのもろなお
足利直義:あしかがただよし
観応の擾乱:かんのうのじょうらん
刈田狼藉:かりたろうぜき
使節遵行:しせつじゅんぎょう
半済令:はんぜいれい

2.室町幕府の全盛
足利義満:あしかがよしみつ
・花の御所:はなのごしょ
・後亀山天皇:ごかめやまてんのう
・後小松天皇:ごこまつてんのう
鹿苑寺金閣:ろくおんじきんかく
土岐康行:ときやすゆき
明徳の乱:めいとくのらん
山名氏清:やまなうじきよ
・六分の一衆:ろくぶんのいちしゅう
応永の乱:おうえいのらん
大内義弘:おおうちよしひろ
日明貿易:にちみんぼうえき
勘合貿易:かんごうぼうえき

3.室町幕府の機構
管領:かんれい
・三管領:さんかんれい
斯波:しば
畠山:はたけやま
・四職:ししき
・京極:きょうごく
・山名:やまな
・赤松:あかまつ
・一色:いっしき
・所司:しょし
守護代:しゅごだい
・地頭:じとう
・鎌倉府:かまくらふ
足利基氏:あしかがもとうじ
・鎌倉公方:かまくらくぼう
関東管領:かんとうかんれい
・今川了俊:いまがわりょうしゅん
・今川貞世:いまがわさだよ
御料所:ごりょうしょ
奉公衆:ほうこうりゅう
土倉役:どそうやく
・倉役:くらやく
酒屋役:さかややく
・関銭:せきせん
・津料:つりょう
・段銭:たんせん
・棟別銭:むなべつせん
・分一銭:ぶいちせん

 


ざっくり日本史にもどる